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#無垢


何も知らなくて、子供っぽくて素直で

屈託なく笑う君と

素直になれなくて、無口で

あまり笑わない、彼女とは対照的な僕。

近寄りにくい。何考えてるのか分からない。

普段からそう言われている僕は

必然的に呟いた。


「こんな僕が君の傍に居てもいいのかな」


無意識に出た言葉に彼女は目を見開いた。

ずっと思っていた

言うつもりのなかった言葉を

声に出してしまい、僕はかなり焦った。

でも数秒呆然とした後、彼女はふはっと笑い、


『側に居てよ。私がそれを望んでいるんだから。』


その一言に僕は救われた気がした。

5/31/2024, 1:32:37 PM