『絶対、言ったほうがいいよ』
「え、でも…」
『え、だって、明日にはみんなに言うんでしょ?
だって、私には言ってくれないのかって思っちゃうかもよ、ここみちゃん…』
〈まあ、そう文華ちゃんが思っちゃったらすごい悪いよね…〉
「…わかった。」
〈ゆづきちゃんならともかく、自分が勝手に毛嫌いしちゃってた、ここみちゃんに言っても何で?っておもわれるだけじゃ…〉
相当ひねくれてて、傷つくのが怖かった、小5の冬。
約10分前…
「いいお知らせと、悪いお知らせがあるけど、どっちから聞く?」
確か、そんなようなことを言い始めた気がする。
その時、だいぶ前から事情を知ってた、‘ありた‘のことありみな‘ちゃん‘に他の友達とは離してもらって2人にそう言った。
結果的に、いいことになった。
「私、5年中に中国に引っ越すことになった。」
『…そっか。』
『R、それはいいことじゃないでしょ?』
「え?、いや、いいことだよ。
あとちょっとでまたパパと会えるし。」
『そうかもしれないけど、そうじゃないでしょ?』
『やっぱそうだよね、みなちゃん。』
『R、あのさ、流石にわかるよ。
『『私たち、友達何年目?』』
「え、ありたは幼稚園の年中くらいからだから、7年くらいでしょ、ゆいちゃんは、もっと前だから、7年以上だー」
『R、その言い分には無理がある。』
『言ってる事は正しいけど、言いたいことわかってて、わざとそらしてるじゃん。』
『ひなちゃんもこう言ってるし、わかってるでしょ?』
『Rは、今、私たちに二つ以上、うそついてる。』
『そうでしょ?、Rちゃん。』
「え、どこが?」
『悪いけどR、Rってめっちゃわかりやすいんだよ。自覚してないだけでさ。
流石にこんな態度じゃ、ねぇ〜、』
『言葉と表情にも結構出てるよ』
『さあ、Rさん、泣き始めてしまいました。』
「え、わたし、泣いてないよ、」
『…』
「え、悲しくないのに。」
『ねえ、R、そんな見え見えの嘘ついても、普通にわかるよ。』
「 え、なくつもりないのに、」
『だから涙は綺麗なんでしょ、』
〈《《しょっぱい…》》〉
「それを言ったら、ゆいちゃんだってありただって泣いてるんだからね、」
何となく、寂しいなって思い始めたことを自覚していなかった時の話だ。
最初から、話してて、泣きそうだった。
「うん。全部正解。」
「1つはパパと一緒に住めるのはうれしいはうれしい。
だけど、怖いのと、寂しいのと悲しいのと少しの希望が混じってるなんて言ったら、最後まで迷惑かけちゃうと思って。
だって、結局は帰って来るじゃんとかも思って、このぐるぐるしてる感情は出す気はなかったんだけど、しっかり話聞いてくれて、でももう行くんだって思うと…なんかしょっぱくなってた。
「2つめは…
あのね、私、
小5中に引っ越すのはあってるけど、1月に引っ越すの。
二学期始まる日とかには岡崎でて親戚のとこ行くから、H小に行くの、二学期の終わりで最後なんだ。」
今日、担任に言われた。
自分から言うのがいいか、担任に言われたほうがいいか。
私は自分で言うことに決めていた。
〜翌日〜
朝の会で、担任が「Rさんから、みなさんへ大事な話があります。」
前に出た私は、
緊張しながら、クラスメイトの前で行った。
「私、引っ越します」って。
みんな、とても驚いてた。その一人一人は見切れなかったけど、昨日伝えた、ありたとゆいちゃん、ここみちゃんとゆづきちゃんは、クラスメイトの反応をみてた。
やっとざわめきが治った頃、ゆいちゃんが「どこに行くのかって言ってないよー」って言ってくれたおかげで、
やっと、中国の、上海というところですとか中2くらいで帰ってくる予定ですとかって話した。
その日の1時間目は担任が配慮してくれて、学級レクだった。
だからざわめきが大きくて、引っ越しの件を話した後に友達やクラスメイトにそれぞれ言われた。
このことは、昨日ここみちゃんとゆづきちゃんに言うまでは、までは、ゆいちゃん、ありだを含む、三人だった。
やっと言えてよかったけど、五人以上から、一斉に話しかけられると困る。
その後、昨日知った2人と、もっと前に伝えた2人、計4人はいい感じに助けてくれた。
心の中で、『あの日の五人』とよんでる友達だ。
7/7/2023, 11:16:49 AM