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「つまり顔面失敗作の僕だから一生救われないのです」
醜形恐怖症という歌の歌詞だ。
共感出来なかった人は幸せ者だ。


自分のことを醜い、と感じたことはあるだろうか。誰もが1度は、テレビの中の女優、男優、はたまた身近な友人等でも良い。美しい外見と比べてしまい自分を醜いと感じたことはあるのではないだろうか。

私は醜形恐怖症だ。醜形恐怖症とは、実際には存在しない外見上の欠点やささいな外見上の欠点にとらわれることで、多大な苦痛が生じたり、日常生活に支障をきたしたりする病気だ。(Google検索から拾っただけの文だけど)

今回初めて書く文で、初めてのテーマが「鏡の中の自分」というテーマだった。このテーマを見た時に思い浮かぶのが醜形恐怖の事だった。

今、世間では「醜形恐怖」という言葉が知れ渡っている気がする。某動画投稿アプリで、有名ユーザーがその言葉を使い承認欲求を満たしている、という話も聞いた事がある。

私の醜形恐怖は、実際に医師に判断された訳では無い。だが、自分の顔にとてつもないコンプレックスを抱えている。
思えば、幼少期からずっと顔に執着していたと思う。 母は、客観的に見ても容姿が整い、美しかった。なのに、私だけ醜い。母の子なのに。どうして私だけとい気持ちが強くあった。多分、父の遺伝だ。父は、一重で目が細く鼻も低かった。可愛らしい母の顔とはとても対照的だった。
母に、「私の方が可愛い」と言われた事もある。そんな事を言われた日には「そんなこと言われてもこの顔で生まれてきたんだ。」「どうしてもっと顔がいい人と結婚しなかったんだ」といろいろな気持ちが混ざっていた。そしてよく1人で泣いていた。
酷い時期には自分の顔を一日中鏡で見ていたり、外に出れなかったり、全ての人が自分の顔を見て醜いと笑っていると思っていた。人と話していても自分の顔が気になり、どこに居ても何をしていてもずっと顔のことを考え、なにか上手くいかなかったら顔のせいと決めつけていた。暗い部屋で1人、永遠に整形手術の症例を見ていたりしていた。思えばあの頃は客観的に見てもおかしかったと思う。
社会人になった 今、そんな事をしていないのかと言われると、そうでも無いしむしろ悪化している部分もある。
友人と旅行に行くと、毎回憂鬱な最悪な気分で帰宅することになる。それは友人が可愛すぎるからだ。友人に対しての嫉妬、劣等感。どうしても友人と比べてしまいとても悲しくなるのだ。そのため心から楽しめていない。帰りの夜行バスで1人、醜形恐怖の曲を聴きながら泣いて帰るのだ。友人にも失礼な事ということは分かっているけど本当に辛い。

男性は特に、女性の容姿に対しての差別が酷く分かりやすい。単純だ。容姿が整っている友達と歩くと私の方には見向きもしない。わっかりやすい。
街のアンケートで、女2人連れに対して1人可愛い子が居たらそっちの方ばかり露骨に見ているし、ブスは見向きもされない。歩いているだけで酷い言葉を投げかけられるという話も聞くほどだ。本当に、ブスに生まれたと言うだけで、人生9割生きづらいのだ。


でも実際自分が人からブス、と言われたことは無い。本人に直接言えないくらいのブスなのか、自分が思っているよりも他人から見たら自分の顔はマシなのか分からないが(そう思いたいが多分前者だろう)、とにかく私は私の顔が嫌いだ。遺伝子を全て1から変えたい、という強い思いがずっとある。

だけど、不思議と、鏡の中の自分というのは少しマシに見えたりする。あれ、今日可愛いかもと思ったりもする。そんな勘違い状態で街に出たらもう悲惨だ。ふと、建物に反射した時分の顔をチラッと見た時の顔、
……絶望だ。ブスすぎる。急に帰りたくなるのだ。楽しかった買い物気分も一気にどん底気分。もう、どん底を通り越してズンドコくらいの気分。とにかくもう最悪だ。

しかし、生きている限り自分の顔は嫌でも付き纏ってくる。一生付き合わなければならない。こんな醜い自分の顔と。コンプレックスだらけで好きなところがひとつもない自分の顔と。ならば、少しでも好きになれるように努力しよう、と決め、最近はメイク勉強に励んでいる。片っ端から動画を見漁り、見様見真似でメイクする。
結果、面白いくらいブサイクになる。
どう頑張っても土台がダメならダメなのだな、と実感した。本当に自分のどこをとってもブサイクで笑えないのだ。デカ目メイク。地雷メイク。見れたもんじゃなかった。
だが、これから先もずっと一生、鏡と共に生きていくことになるのだろう。暇さえあれば鏡を見る。そして病む。
そんな生活の繰り返しだ。

この世界で醜形恐怖で悩んでいる人口がどのくらいかは分からない。たくさんの人が苦しんでいるかもしれない。これを読んでくれた人の中にもいるかもしれない。
自分の顔、嫌いだよね。醜いよね。比べてしまうよね。この顔が○○なら…って何回も思ったよね。わかるよ凄くわかる。
この世は顔じゃない、性格だなんて綺麗事。そんな言葉全部ブスは考えないからね。顔のせいで人生とびきりハードモードだよ。でも戦うしかない。

私は、無理に勇気づけたり、同情したり慰めの言葉を掛けようとは思わない。ただ、共感はする。物凄くする。逆に、誰か、1人でも共感してくれればいい。救われる。
私もわかる!俺もわかる!自分もこう!って思ってもらえたら、それで救われる。

これから先、自己肯定感も上がる訳でもないだろうし、どれだけ整形手術を繰り返そうが心は満たされないままだろうけど、私はきっと整形手術を繰り返す。
それがもう多分、私の生き方なんだろう。

でも、出来ることならクラスで可愛かったあの子に。可愛いとチヤホヤされてたあの友人に。
あの顔になれたらなと何度も思い描いたあの女優に。
なりたかったな。と、ずっと思いながら生きていく。


11/4/2023, 1:27:15 AM