kogi

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今日も彼女-楓華が笑顔で話しかけてきた。
[おはよ!]
[よっ]
[いつでも冷たいなぁ真斗は]
[しょーがねぇだろこれが普通だ!]
ドヤッ
[ドやるとこじゃなくね?]
[ハイ、スンマセン]
楓華とは幼なじみだ。小学生からずっと一緒にいる。
いつも通りの高校での日々。これがずっと続くと思っていたのに。
今日も普通の授業を受ける。HRの時間だ。
[はい、おはようー]
担任の先生が教室に入ってくる。
[まずはお知らせがある]
先生は入ってきてそうそうに話し始めた。
その後目線を楓華に向け、何かを察したように教卓の前へ行き、先生と並んだ。
[えー、一学期の最後、楓華が転校することになった。残りわずかな時間ではあるが、最後まで仲良くしろよー]
いきなりで驚いた。ずっと一緒に居たのに急に離れてしまうことになるなんてきっと誰でも悲しいはずだ。
俺は頭の中がいっぱいになった。
そんな思考回路を遮るようにして楓華が話し始めた。
[短い間、お世話になりました。残り少ないですが最後までよろしくお願いします。]
いや、これは夢だ。そう思いたくなる程の事が今目の前で起きている。そう思っていると
[じゃあ、今日は特にお知らせは無いんで、一限の用意しろー]
と先生がHRを終わらせた。
これからの日々、大切に過ごそうと思った。
その日々は瞬く間に終わっていき、とうとう一学期の終業式になってしまった。
俺はこの日々で気づいた。
彼女ー楓華のことが好きだ。この思いは必ず伝えようと思った。
時の流れは早く、もう帰り道。
最後だけはと思い一緒に帰った。
[ねぇ真斗]
俺はびっくりした。でもしっかりと答えた。
[どうしたの?楓華]
そう返すと、歩く足を止めゆっくりと話し始めた。
[私ね、真斗のことがずっと好きだったの。
大好きだった]
突然の告白に俺は今度こそ思考回路が止まった。
俺から言おうと思っていたことを急に言われて驚く人はいないはず、そうだ、きっと...
そう思いながら俺はあいずちを打つ。
[付き合って、くれますか?]
その問いに俺はすぐ
[よろしくお願いしますっ!!]
そう答えた。その瞬間俺の青春がようやく始まった気がした。
[よかった...ありがとう]
[こちらこそ]
[じゃあ私こっちだから]
[あぁ...じゃあな!]
もう終わってしまうのか。そう思った瞬間
[あっ、待って!]
そう引き止められた。俺は止まった。
[また、いつか会おうね]
[絶対な!!]
[うん!!]
そう言って最後の帰り道を別れた。
もう会えない、そう思っていた俺にとって楓華の言葉はとても嬉しかった。
どこかで会えないだろうか。そう思った。



それから5年後...
俺はコンビニでアルバイトをしている。
たくさんの客が行き交う中、俺はびっくりした。
そこに楓華がいるのだ。大人びていて一瞬分からなかったが、明らかに楓華だ。
レジに来た瞬間俺は聞いた。
[あの、違ったら大変恐縮なのですが...]
[はい...なんでしょう?]
[柊 楓華さんではないですか?]
[やっぱり...真斗!?]
合っていた..俺の予想は...そして覚えていてくれたんだ...
[またこの後会える?]
そう聞くと楓華は
[うん!]
そう答えてくれた。
運命は人を裏切らないー巡り巡って会えるんだ

【巡り会えたら】#1-first-story kogi

10/3/2023, 12:24:49 PM