吐いた息が白くかたまって、彩度の低い空へほどけていく。赤くなった指先をポケットの中へ潜り込ませる。明日の朝は布団から抜け出せるか危ういな、と考えながら、半ば呆けて天気予報を眺める。行き交う人は着膨れて、往来は窮屈そうに見える。目の覚めるような鮮烈な赤や、深みのある落ち着いた緑が街角に増える。それはきっと冬の足音だ。
11/17/2024, 7:27:24 PM