これあげる、と僕の手に握らせてくれた一枚の貝殻。
初対面の僕に明るく話しかけてくれた君。
陽の光に照らされる君の横顔はとても綺麗だった。
当時の自分は、幼いながらも恥じらいと戸惑いを抱いていたなと懐かしく思う。
旅行でその海岸に来ていたものだから、たった一日のはじめましてだったのだけれど。
それでも、人生の差し色のような特別な出会いだったのだと今でも感じる。
あの日、君が僕にくれた一枚の貝殻。
今でもあの日の香りがするような、そんな気がするんだ。
〝貝殻〟
9/5/2023, 10:35:49 AM