廃寺夜想曲*

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柔らかい雨に、原付の停止ランプが沁みる。



学生時代の焦燥、憧れ、恋心は、


今となっては、ただの思い出。


ただの、と言えるほど成長してしまった私の、
*今*はどう?

あの頃よりも、必死に生きていはいないと思う。





私は必死に生きてたんだなぁと言う、過去に

同時に、これからどうしようかと言う、未来。







黄信号、雪の積もった満開のソメイヨシノ。









驟雨は、誰かの溜め息と混じり、

泣き腫らした君の顔と同化する。

『また』と吐き捨てた言葉に、
海の青さは答えてくれない。






それが、恒久に笑えると言うことだよ。大丈夫。

11/6/2022, 10:13:36 AM