一人暮らしをしていた頃。
仕事帰りの電車の窓から、街の明かりを見るのが好きだった。
仕事に疲れ、人に疲れ、世の中に疲れて…
それなのに人の営みを象徴するような街の明かりにほっとした。
マンションの明かり。家々の窓から漏れる明かり。
街灯。広告塔。
その明かりの中に、人々の生活を感じながら
自分はその中に入れないと思いながら
そして明かりのついてない暗い一人暮らしの部屋に帰っていく。
今。私は家族の待つ家に帰る。
明かりのついた我が家へ。
或いは私が明かりをつけて家族を待つ。
街の明かりの中に、私は居る。
7/8/2024, 11:17:39 AM