風信子

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手のひらの上の
窓越しに見えるのは
涙の欠片ひとつも無い
新しい世界


月日は
昔より早いスピードで
浚うように
全てを塗り替えてしまう




夫々の窓越しで
離れ離れのまま
一緒に見た
あの日の花火が
最後のdate



照れながら誘ってきた
あの優しい声が
ふと
少しの切なさを混じえ


忘れかけてた
涙だらけの過去から
一つだけ切り抜かれて
耳に蘇る夏





「窓越しに見えるのは」

7/4/2023, 3:01:24 AM