2025/2/27 「あの日の温もり」
おばあちゃん家は一軒家で隙間風が多いので、冬はとても寒い。
寒いなと思いながらリビングで過ごしていたが、気がつくと4つ上の従姉がいない。
トイレに行くついでに見ると、応接間の電気がついている。
ドアを開けるとオレンジ色の光一色で、温かい空気に包まれてガスの独特のにおいがした。
まるで絵本に出てくる、別世界に迷い込んだようだ。
そこで従姉が一人で大学受験の勉強をしていた。
「温かくて、もうこの部屋から出られへんねん」
その通りだった。
温かさと非日常感。あまりの居心地の良さに私も応接間から出られなくなった。
そろそろ寝なさいと親が呼ぶので仕方が無く応接間から出ると、久しぶりに吸えた新鮮な空気を必死に求めている自分に気がついた。
同時に頭がくらくらして意識が朦朧として…
一酸化炭素中毒になりかけていた。
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〈あとがき〉
久しぶりに執筆。最近読書量が減ったからか、文章書くのが下手になってるなぁと思いながら書きました。
かなり前の些細な出来事なのに文章にできるくらい鮮明に覚えていたのには驚きました。
2/28/2025, 2:43:14 PM