令和のゴッホ

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私は絵を描くのが好きだった。昔は、そうだった。成長するにつれていつしか自分の"好き"が"相手に認めらたい" "褒められたい"という承認欲求へと変わっていっていた。自分でも分かっている、承認欲求なんか求めたらだめだって。でも、自分の作品が認められない日常を繰り返しているうちにそういった感情が閉めても鍵をつけても尚芽生えてしまう。

私には親友がいた。親友がいたこともあって、私の承認欲求は掻きたたされたのだろう。何故なら、親友は天才だからだ。私がどれだけてを伸ばしても彼には届かず、どれだけ努力したって親友がずっと評価され続ける。その上親友は性格が自分よりもずっとよくて、妬みたくても妬めない。こんなつまらない日常なら、終わりの見えないゴールなのであらば、もう、いっそのこと人生という人生に終止符をうちたい。



画家を目指していた浪人生、江川咲哉は自殺ののちに作品が世界に名を轟かせるほど有名になった。まるで、ゴッホのように。

8/24/2023, 3:22:42 PM