穏月柊杏

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"距離"

『あと少し! あと1cmでも高く跳べれば』

そう考えながら跳んだ高跳び大会
緊張が走るこの場所
その空気は何回も味わったはずだったのに



私はその空気に負けたんだ



最後の大会。
自己ベストが出るはずだったあの瞬間は
跳ばなきゃいけなかった
跳べたはずだった



そう思いながら
棒と自分の距離が近くなる瞬間がよぎる



この瞬間が私にとって
怖くなってしまったことは
今では歴然たる事実なんだ。


12/2/2024, 3:24:36 AM