茹だるような熱に侵され、体が動かない。「季節の変わり目だものね」という常套句を言う家族を背に、私はベッドに蹲り、喉の痛みと熱に耐えるしかなかった。風邪なんて引いたことなかったのに。痰の絡む咳を一つすると、我が家の猫が駆け寄ってきた。熱に誘われてやってきたのだろうか。猫はこちらの顔を覗き込むと、堂々と私の体を踏み、そのまま座り込んだ。猫は気楽でいいなあ。私はそっと猫の顎に手をやり撫でて、何回目かわからない眠りについた。
11/27/2023, 3:24:04 AM