僕は母親をずっと探していた。
5年前、僕が中学2年生の頃行方不明になった。
母の特徴は長い髪と少し低めの身長に控えめな猫背、そしてあの太陽のような笑顔だ。
母の笑顔は優しくて明るくて、本当に太陽のようだった。
僕が落ち込んでいた時も、あの笑顔を見ると自然と笑顔になることが出来た。
僕は今まであの人以上に素敵な笑顔を見たことがない。
今でも母が大好きだ。
だからもう一度会いたくて、あの顔で笑いかけて欲しくて探し続けた。
そして見つけた。
でも、やっとの思いで探し出した頃には太陽は既に沈んでしまっていた。
随分小さくなってしまったその体を僕は泣きながら抱きしめた。
今までの感謝と寂しさ、僕を置いていってしまったことに対する少しの恨みを込めて。
僕はもう二度と、あの太陽のような笑顔を見ることは出来ない。
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『太陽のような』
2/23/2024, 7:57:41 AM