〖手を取りあって〗※(ちょっと長め)

皆さんも１度は聞いた事があるであろう。

「究極の二択」という質問ゲームを。

有名なものをひとつ上げるとするならば「カレー味のウ〇コ、ウ〇コ味のカレー食べるならどっち？」と言ったものである。

こんなものは、誰がどう考えてもカレー味のカレーを食べたい！の一択に決まっていると思うが、不意にこの究極の二択を見た時、私も究極の二択を思いついた事があった。

それは、

「相手に話すことはできるが触れれない世界」と「相手に触れることはできるが話すことができない世界」の2択

この二択を思いついたのは私の昔話からである。

私は学生時代、社会科見学で1週間ほど介護施設のお手伝いをした事があった。

そこに、車椅子に乗り外を眺めているおばあちゃんがいた。私はそのおばあちゃんに声をかけたがなんの返答もなく、困っていると少し離れた所にいた施設の人が手招きで私を呼んでいた。

そしてその人の話によると、どうやらおばあちゃんは、喉頭癌(こうとうがん)を患っており癌の転移によって声帯を取り除いているため声が出せないとの事だった。

私は、申し訳ない事をしたと思ったのと同時にこの人に何かしてあげれないだろうか？と思いまた、おばあちゃんの元へ向かっていた。

施設の人の話だと相槌(あいづち)は返してくれる時があると言うので、簡単な質問なら答えてもらえるかと思い「今日はいい天気ですね」や「今日、見学させてもらいます𝔸𝕜𝕒𝕟𝕖𝕜𝕠です。」など何回か話かけてはみたが、おばあちゃんは窓の外をずっと眺めたままでなんの反応もなかった。

私は、おばあちゃんが眺めてる方を見たが、5月といのもあり青々とした葉のついた桜の木があるだけだった。

それでもその木ぐらいしか目につくものはなく、不意に私は「天気もいいですし外に出て見てみますか？」とおばあちゃんに問いかけてみた。

すると、おばあちゃんは小さく頷いた(うなずいた)
私は「見間違い？」と思い、もう一度「外に行ってみますか？」と言うと今度はハッキリとおばあちゃんは頭を縦に降った。

直ぐさま施設の人のところへ行き、おばあちゃんと外の木を見に行きたいと告げた、施設の人も多少渋々ではあったが、10分くらいならと許してくれた。

私は、車椅子を押しておばあちゃんを桜の木の所まで連れていった、それでもおばあちゃんは室内にいた時と同じようにただ青々と葉のついた桜の木を眺めているだけだった。

まもなく10分がたち、おばあちゃんに「時間になったので施設に戻りますね？」と伝えるとまだ名残惜し(なごりおし)かったのか、おばあちゃんは少し俯いた(うつむいた)表情をしたような気がした。

施設に玄関口で室内に入るために車椅子のタイヤを拭いていると、おばあちゃんに肩をポンポンと叩かれた。

「どうしました？」と尋ねると

おばあちゃんは私の手を握り小さく何回も頷いた。

私も「まだ居ますんでまた行きましょうね！」と伝えその日の見学を終えた。

なんやかんやで1週間もあった社会科見学も最終日を終え、施設の方々や入所されていたおじいちゃんおばあちゃんからお疲れ様と手紙や折り紙のプレゼントを貰った。

最初はこれといった反応もしてくれなかった車椅子のおばあちゃんも私が帰る時に手を振ってくれた。

初めは些細なことだったのかもしれないけど、言葉には無い伝えると言う気持ちがおばあちゃんの手にはあったのかもしれない。

これが私の生まれて初めて感じた〖手を取りあった〗伝える気持ち。

こんな感じかな？(ちゃんと回収できてるかな？(笑))
[END]

~おまけ~

皆さんお待ちかね！姪っ子シリーズ(待ってないよねゴメン)

公園に行く時、手を取りあって向かうと必ずと言っていいほどに、私の手を振り解き走り出す怪獣(姪っ子)を汗だくになりながら、追いかけるオジサン(𝔸𝕜𝕒𝕟𝕖𝕜𝕠)の日常...

人見知り絶賛発動中の怪獣(姪っ子)は私の小指を握りながら私の後ろに隠れる癖がある。これもある意味〖手を取りあって？〗いやいや、〖小指取られかかって〗だな(笑)

ちょうど今回の〖手を取りあって〗に合ったネタがあったので書いてみました(´>∀<｀)ゝ

また思いついたら書いてみます( . .)"

7/14/2023, 4:28:26 PM