狼星

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テーマ:寂しさ #37

※この物語は#20からの続編です

ずっと、寂しいと思ってはいけないと思っていた。
寂しいと思ったら泣いてしまいそうになるから。
泣いている暇があれば働けと言われた。
寂しいと思う余裕があるなら働けと言われていた。
苦しい日々から抜け出したくて、私は逃げ出した。
外の世界もあの地下の牢獄も、あまり変わらなかった。
でも、こうしてラクラといると本当の私でいられる気がした。
「寂しいときは寂しいって言っていい。僕の前ならいくらでも泣いていい」
そんなこと言われたら、涙腺が緩んでしまうじゃないか。自分が寂しいと思うことは許されていない。ずっとずっとこらえていたものが溢れるようだった。
「あんたは生まれてきたことが罪だ」
「魔法使いなんて!! 悪魔の使い手」
「みにくい子娘」
今でも覚えている。苦しい、辛い過去。
寂しいなんて打ち明ける友達や両親はいない。
そんな私のことを助けてくれるの? ラクラ。
私がそう思いながらラクラを見る。ラクラは静かに私を抱き寄せた。
人の温もりを感じた。私の目から自然に涙が落ちた。

12/19/2022, 12:57:23 PM