別れの時が迫っている。気持ちの整理も覚悟も出来ている。それでも、いざ目の当たりにすれば途端に決心が鈍る。どうにかして、引き止めることは出来ないか。ベルが鳴った。ただ静かに眠る君が、ゆっくりと運び出される。やめてくれと言う声にならない声を噛み殺す。ついにこぼれた涙が床に一粒二粒と落ちていく。さよなら。さよならだ。もし叶うなら、また君と巡り会えたら。そんなもしもを願いながら、今日を生きていく。巡り会えたら。
10/3/2023, 12:00:27 PM