柳絮

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秋恋


ひらり、と目の前で黄色い葉が舞った。
見上げると銀杏が空を埋めるように葉を広げていた。"満開"と表現したくなる鮮やかさだ。それが一枚、二枚とくるくる落ちてくる。
突然、風もないのに葉が大量に降り注いだ。視界が一瞬金色に染まる。
やがてそれが収まると、目の前には目を丸くした人が立っていた。銀杏の雨の間に一瞬で現れたようだった。
「葉っぱ、頭についてますよ」
不思議な光景を共有したその人は、そう言って笑った。

9/22/2023, 6:47:26 AM