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【伝えたい】

俺は、君に恋をしている。

綺麗な横顔、長いまつ毛、細く長い足。
誰にでも優しい素敵な性格。
どこをとっても完璧だ。

その上、女子にも、男子にもモテモテだ。
俺は陰キャで、いつも教室の端っこで一人だ。

本当は陽キャは大キライ。
うるさくて、人の気持を考えてない人種。
 そう、思ってたんだ。

でも、君は俺に話しかけてくれたし、優しく接してくれる、俺の中の陽キャのイメージとは違う、とっても素敵な人だった。

その人の名前は、神崎優馬(かんざきゆうま)という。
俺は神崎さんが大好きだ。
俺は男なのに、男に恋をするなんて、
初めてだ。
いや、恋をするのも初めてなんだ。

けれど、陰キャの俺が話しかけられるわけもなく、
いつも神崎さんの楽しそうな顔を見ているだけ。


もうすぐ俺は2年生になる。
クラスが変わってしまったら、きっと神崎さんとは
もう話せなくなるだろう。
だから、告白することにした。

ラブレターをかき、神崎さんのロッカーに
入れておいた。
俺は、直接つたえることは苦手だから、
手紙でしかつたえられないんだ。

けれど、教室のゴミ箱に
俺が書いたはずの手紙がビリビリにして捨ててあった。

これは、神崎さんがやったのか?

いや、違う。
さっきからこっちを見てくる、女子たち。
きっと、こいつらのせいだ。

せっかく、勇気を出したのに。

でも、楽しそうに女子とふたりで、
手をつなぎながら歩く神崎さんを見て、
俺は諦めてしまった。

最後まで伝えることは出来なかった。

俺はあれから女子たちにいじめられていた。
 もう、限界なんだ。
おねがい、俺を許してくれ。

俺は

伝えたい、この思いを

つよく抱きしめながら 目を瞑った。

瞼を開いたら、そこは花畑だった。
おれはハナミズキを眺めながら、
君のことをずっと考えている。

伝えたい。ずっと好きだった。と_


ハナミズキの花言葉  

“私の想いを受けとめてください“

2/12/2024, 11:01:45 AM