【あいまいな空】
自室を侵す窓からの光。カーテンを閉める。喉の渇きを感じて、水を飲んだ。
しばらく時間が経つ。そろそろ冷蔵庫にある食料が枯渇するということで、買い物に出かけようと思う。面倒だが。
スマホで天気を確認する。曇り。降水確率50%。
実際の天気はどうだろう。外を見る。
…………
空の彩度の落ちて、天井が低くなっていた。
…………
電柱、架線、コンクリート、アスファルトに囲まれて歩く。
晴れの日よりも空間が狭く感じて、家にいるような気分がしないでもない。でも、街は重く沈んでいるように見える。
狭いと落ち着く。しかし、曇りでは中途半端。雨が降らないだろうか。雨が降れば、狭いを超えて包まれることができる。
心の渇きも……癒えるだろう。しかし、この天気じゃ大雨は到底期待できない。
そうしていると非常に微々たる雨が降ってきた。
傘を刺すまでもない量である。その細かい雨粒が時折顔に当たる。雨音などないし、包まれる訳でもないから、退屈凌ぎくらいにしかならない。
あと少しで到着するというところ。
雲の間から強い光が差し込んだ。微々たる雨が降ったまま。
その様子をぼんやりと感じながら進み続ける。
目的地は左側にあるとなんとなく確認する。
私は吸い込まれるように店に入っていった。
6/14/2024, 2:23:40 PM