ぺんぎん

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すぅき、とちいさく呟いた。舌っ足らずに潜むように溢れたその言葉ひとつで、身体の縁からみるみる温まっていくような気がした。口のまわりが妙にこそばゆくなる、得もいわれぬ喜びが、ホットケーキのクリーム色のカンバスにできるぽつぽつ穴のようにふつと湧き上がった。とろりと甘く爽やかなその言葉ひとつを噛み締めて膝を抱えてうっとりと眠った。

4/13/2023, 12:58:52 PM