幽霊花

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来月、この学校を卒業したら、
私が貴方に会うことは、きっとないでしょう。

私はこの思いを、貴方に打ち明けることなく、
おばあちゃんになって、貴方を忘れるまで
ずっとずっと、胸の中にしまい込むのです。

貴方との時間は、麻薬。

わざわざ貴方が私につけた、特別な呼び方。
寝落ちした翌朝、「おはよう」とチャットが来たこと。
不安な時、パニックになって掛けた電話で
優しくなだめてくれたこと。

私、全部覚えてる。
その瞬間のときめきを。

私達は恋人じゃないし、お互い触れたこともない。
だけど、友だちでもない。
言葉を持たない関係が、私達には好都合だった。

私達は歪な者同士。
恋に少し似ているが、醜い感情を持ち寄って
どちらが先にはみ出すか、そんなゲームをしていた。
それは刺激的で、中毒性を持つ遊び。

私は負けたの。そして多分、貴方も負け。
だから一緒にゲームをやめた。

その後クラスも変わって疎遠になった。


世間は恋を、美しいものだと言うけど、
私にとっての恋は、貴方との時間。

私の中の「恋」という言葉を、貴方にあげる。



―Love you

2/23/2023, 1:27:57 PM