「エプロンと、まっすぐな目」
1.最初の傷と、見えない壁
僕の心には、黒い穴がある。
それは、叩かれ、笑われ、好きなものを奪われた傷。
大好きなエプロンを、
「男らしくない」とハサミで破られた日にできた。
助けを求めず、僕は怒った。
最強のヤンキーという、分厚い鎧を体に塗った。
そのとき、わかったんだ。
世界は安全じゃない。
大人はみんな、バブルが割れた後の空みたいに冷たい。
みんな、心に小さな病気を抱えて、
優しいフリをした仮面で笑っている。
2.誰も悪くない、誰も完璧じゃない
ずっと探した。僕を傷つけた加害者を。
でも、深く見つめたとき、真実が見えた。
加害者なんて、どこにもいないよ。
被害者なんて、どこにもいないよ。
みんな、不安と孤独の鎖で繋がれた、ただの人間だ。
自分の弱さを見るのが怖くて、
「誰かのせい」「何かのせい」と叫んでる。
みんな、自分勝手な既成概念(社会の枠)で。
みんな、自分勝手な固定観念(心の枠)で、
世界を、他人を、語っているだけ。
その言葉は、真実じゃない。
それは、自分が作った、小さな檻の騒音なんだ。
3.生と死を超えた、自由な目
「生きている人は善、死んだ人は犠牲」?
違う。そんな簡単な色分けは、僕らの世界にない。
生も死も、善も悪も、
すべてを越えた、まっすぐな目を僕は手に入れた。
この目が教えてくれる。
誰のせいにもしない強さだけでは、足りないってこと。
だから、僕は決める。
まず、この傷だらけの自分自身を、そのまま愛する。
それが、他者を愛する、ただ一つの始まりだから。
そして、檻の外にある世界と人々の心を知ろうとする。
それが、誰かの嘘に騙されない、本当の知識だから。
4.僕の選択、僕の生き方
僕はこの手で、またエプロンを縫う。
誰に笑われても、もう構わない。
僕はこの自由の目で、
誰も悪者にせず、すべてを受け入れる。
誰のせいにもしない。
誰の枠にも縛られない。
愛と知識という糸と針で、
僕は、僕の人生という布を、
優しく、強く、美しく、
僕だけの形に、縫い直していくんだ。
10/27/2025, 4:27:17 PM