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何人かの女性と付き合ったが、1人だけ忘れられない女性がいた。
どちらかというとそれまでの恋愛は、極端に言うと見た目から好きになり、積極的に攻めて、付き合うと言う形が多かった。
その女性は、毎日昼食を共にする同期メンバーの1人だった。最初は恋愛感情はなく、普通に食事をする中だった。
いつからか、その子をたくさん笑わせたい、笑顔にしたい、そんな気持ちで昼食に行っていることに気付いた。
初めて見た目からではなく心で好きになっていた。
他の同期の協力もあって、奇跡的にその女性と付き合うことができた。本当に幸せな時間で、何をするにもエネルギーが沸いた。
好きな人と恋愛関係になると言うことが、どんなに素晴らしいことか体感した。
残念なことに私の未熟さが故、1年足らずで別れてしまった。
失恋は尾を引き、あの手この手でやり直そうと思ったが、彼女は徹底してあえて冷たく、なんとか立ち直るにまで至ることができた。
その後も数人の女性と付き合うことがあったが、いつもその同期の女性とどこかで比較してしまい、物足りなさを感じた。
折り合いをつけるため、その女性を殿堂入りと称して、神格化し、比較しても意味がないと言い聞かせた。
数年を経て、向こうも結婚して、私も別の女性と結婚した。
結婚して子供ができ新たな家庭を持つと、不思議なことに、神格化していた彼女への気持ちはこれっぽっちもなくなった。
今ある家庭をより幸せに溢れるよう努力していきたい、そう思えるようになれた。

誰よりもずっと愛していた彼女を思い出す、そんなテーマだった。

4/9/2024, 4:00:37 PM