あめ

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お祭り。


君と行く何度めかの夏祭り。
今年は着なれない浴衣を着て、履きなれない下駄を履いて。
髪も浴衣に合わせて可愛く結った。

そんないくつもの初めてを纏った私を見て、
君は柄にもなく「綺麗だね」なんて褒め言葉を言う。


それでも君は、まだこちらを向いてくれない。
私はとうに気づいたけれど。だから着飾ってみたけれど。

君はいつ気づくだろう。
君の中にある、その淡い気持ちにいつ気づいてくれるだろう。


〈創作〉

7/28/2024, 10:08:05 AM