幽寂

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流れ星に願いを祈る。
その時間は、私にとって心地の良い時間であった。
人との関わりを遮断し、幻想的な星空を眺めつつ自分の空想に浸る。誰にも邪魔されないその空間こそ、真に自分にとっての休息となるのだ。
願うことは一つだけ。その願いが叶わないものだとしても、私はその願いに縋ることしかできない。
夏の夜、母と見たあの景色。
『来年もまた一緒にみようね。』
その願いは、もう叶わないけれど。
「今日の夜空も綺麗だよ」
声にならないその想いに呼応するように、一筋の涙が星空を流れた。

『流れ星に願いを』

4/25/2024, 1:40:35 PM