明るいところから暗いところに行くとさ、逆もそうだけど、めっちゃ眩しくてなんも見えなくなるのあれなんでなんだろうな。
前を歩きながら、卒業式で歌う歌を口ずさんでいた君は振り返ってふいにそう言った。
確かに、と思った。
−いつも僕の前を歩いてた
後ろ姿に憧れて
な?と言われたから、確かにと返す。
ずっと眩しくてなんも見えないわけじゃないんだから良いんじゃない?とテキトーに言うと、やはりテキトーだなーと言われる。
視線が合ったまま後ろ歩きで数歩進んだ後、確かにな、と君は言って進行方向に向き直りまた歌い出した。
7/31/2025, 11:15:06 AM