[あのさ、恋するってなんだろ?恋ってどんな気持ち?]
私は横にいたお姉ちゃんにそんな疑問をぶつけた
中学卒業の時
受験勉強などほぼ部活に、勉強に一夜漬けの日々を過ごしていたことを今更ふと思った
周りの子たちは恋バナに惚気話
に花を咲かしていた
その様子を横目に流して
読書をしていた。
[卒業式のあとに2人きりで話せますか?]
卒業式が1週間後に迫ったあの時
朝来たら机の中に手紙のようなものが置いてあった
見つけた時は人間違いかなにかだろうな
て思っていたけど自分の名前が間違いなくそこに書かれていた。
差し出し人は同じ部活の可愛いやんちゃだけど仲間思いという印象を持った同じクラスの男子だった。
それを去年から高校に言って同じ部活だったお姉ちゃんに話したら
あいつが!?って驚いていた
でも在学中に何かと気づいていたものがあるらしく
何故か納得していた。
そして最終の準備を進めていくうちに
卒業カウントが1になった
その日の帰り道
[明日どうするの?]
と聞かれ最初はパッと思い浮かばなかったけど
なにかと点と点が繋がった
[行ってみようかなーって思ってる不安だけど]
そのことを聞いたお姉ちゃんはまじまじと顔をあげた
多分意外だったんだろうなあー
[そっか頑張ってね]
[変なこと聞くけどさ、]
立ち止まって友達の目を見てはっきりと
[あのさ、、恋するってなんだろ?恋ってどんな気持ちなの?]
一瞬なんて馬鹿げた質問なんだろと心の中で強く思った
[恋っていうのは友達でも家族でも違う好っていう気持ちかな]
真剣に答えてくれた。
[家族でも、友達でも違う好き?]
そう心の中で繰り返したと思ったけど言葉に出てしまってたみたいで
笑って
[うん、ずっとこの人となら大丈夫安心するなって、この人なら自分を受け入れてくれる、はっきりダメと言ってくれる、素直になれる特別な安心感っていうの?その特別な好きって気持ちのことを恋って言うんじゃないかな?]
[ねぇじゃあさ、愛は?]
[愛?愛は恋と一緒の気持ちだけどさっきのは相手の気持ちはもちろんだけど自分の気持ちも相手に伝わってないでしょ?だから愛はその気持ちがお互いに一緒でちゃんとどちらにも伝わっていて同じ気持ちということが繋がってるっていうのが愛じゃないの?]
[もしかして気になり始めてるのその子のこと?]
とさっきまでの真剣な眼差しからは一変した冷やかしの声だった
夜が明けたら卒業式だった
生徒に先生みんな胸元に同じコサージュをつけているのが今までの練習とは違うということ新しい道への最初の1歩ということを知らせる。
式中は特に大きな騒動ミスは一切なく無事に3年間を過ごした思い出を振り返る大切な一時となった。
式が終わり教室に戻って担任の先生、副担任の先生、と別れを告げる挨拶に心を奪われた
忘がたい大切な言葉を貰った。
約束の時間
[初めて話しかけて貰って色々部活で助けて貰ったりしてもらっていくうちに優しくて仲間思いそんなあなた魅力に惚れて気づいたらあなたのことが好きになっていました今しかないと思い言わせてくださいこんな僕で良ければお付き合いお願いします。]
そう言うと綺麗なお辞儀をして左腕を前に出してきて
私はその手に応えるようにそっと握った
[私も気になり始めていましたこんな私だけどお願いいたします。]
私は自分でも気づかないうちに恋というものが芽生えていたのかもしれないそんな人に出会えて良かったって心からそう思えた
私が恋をしだしたのはあの手紙を貰った時から?
それとももっとずっと前からで気づかなかっただけ?
なのだろうか
お題[愛を叫べ!!]
No.37
5/11/2023, 12:34:13 PM