#21『また明日』
また明日。
当たり前のように笑って、手を振って、別れる。
今夜、私はこの街を旅立つ。
新天地で新たな暮らしを始める。
今までみたいに、ふらりと会うことは出来なくなる。
新しい暮らしは楽しみなのに、あなたと離れることが寂しくて。
私の明日にあなたはいない、そのことから目を背けるように離れる君を見送った。
振り返るあなた。
夕日を背負った私は大きく手を振った。
こちらを向いたあなたも、手を振った。
いつもと同じ帰り道、あなたの影が遠くなる。
5/22/2024, 12:37:41 PM