【どこまでも続く青い空】
雲ひとつない、秋晴れの空。
心地よく、どこまでも続いているように見える。
実際、どこまで続いているんだろうか。
大きく背伸びしたレイは、今朝目の端で捉えた全国の天気予報を思い出して、嫌気が差した。
夢は夢のまま、だ。
それでいて、実現できない夢は、ただの夢。
レイは今日、生まれて初めてのファッションショーに参加する。
服飾やデザインをメインのコースにしていない進学校の文化祭。そこで、レイはやっと思いの内を全て吐き出せる。
ここに来るまで、思ったより大変な事を乗り越えないといけなかった。
何より、デザインとは全く関係ない事と向き合わないといけなかった。
ー結局、人として成長できた、のかもしれない。
レイはひとりごちる。
今、どこまでも続く青い空を遮断して、レイが描き出す新しい空が、開幕する。
10/23/2023, 12:23:30 PM