魚のみりん干しがあまり好きではない。食べられないことはないが、独特の甘さと色味が食欲をそそられない。
子どもの頃は割と食卓に出ていた。父親は好きらしい。そもそも魚が今ほど好きではなかったので、みりん干しが出た日の夕飯はハズレだなと思っていた。
自分で食事を用意するようになってから、一切食べていなかった。当然、自分で働いたお金で嫌いなものを選んで買うはずもないので存在も忘れていた。
たまたまみりん干しを食べる機会があった。やはり好まない味だと思ったが、そんなことより懐かしい味だなと思った。
母親に会えなくなって随分経ってから、またなにかのタイミングで久しぶりにみりん干しを食べたら泣いてしまうんじゃないかと、バカバカしいが心配になった。涙の理由がみりん干しなんてそのほうがバカバカしいので、懐かしく思えない程度に、定期的に食べておこうか。
9/27/2025, 6:42:26 PM