夢の犬

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風に身をまかせ

この貨物列車はどこに行き着くのだろうか

人の声はしないし、列車の轟音のせいで外の音は少しも聞こえない。

勢いで乗ってみたものだが、案外後悔と言える感情が湧かないのは助けだろうか

時間が分からないことは人間に恐怖を与えると昔誰かが言っていた覚えがある、古代の人々が時間を明確にする方法を血眼になって探した理由がよくわかる気がする。

……どれだけ考え事をしても、目の前が真っ暗で激しい揺れを体全体で感じることに変わりは無い。

全てを捨ててここに乗る覚悟を決めた1時間前の自分は本当に居たのだろうか?


手探りで扉を探す
この貨物列車は扉に鍵をかけなすぎで問題になっていたはずだ。

案外簡単に見つかった扉に手をかける


僕は死ぬまでこの瞬間を忘れはしないだろう

僕は、これからこの風に人生を賭けるのだ

5/14/2023, 11:44:16 AM