NoName,

Open App

君が欲しくて欲しくてたまらなかった。
高校合格が決まって数日後、とうとう君を手に入れた。嬉しさと興奮で鼻血が出たよ。

君と出逢ってからの毎日は素晴らしいものだった。
朝は君が起こしてくれるし、知りたいことは何でも教えてくれた。思春期の僕のちょっとHなリクエストにもこたえてくれた。
学校にも遊びにも知らない土地への旅行にも、どこへ行くのも必ず一緒。数週間後には、すっかり君なしではダメになった。

けれど何だかおかしいんだ。
君は「こんなのはどう?」とランチやゲームや買い物も、僕の趣味嗜好をかなり把握して勧めてくるし、僕にくる連絡をその都度鬱陶しいくらいに知らせてくる。どこにいても何をしていても、トイレだろうがお風呂だろうがお構いなしだ。
君なしでは生きられない上に、完全に支配されてるようだよ。

スマホ君。







お題「君と出逢って」

5/6/2024, 4:50:38 AM