伊古野わらび

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こんな夢を見た、と某巨匠のように書き始められたらよかったのだが、あいにく昨晩見た夢を何も覚えていなかった。
断片ひとつ、思い出すことができない。
泡沫にも程がある。

ただ、こんな夢を見ることが多い、というお題なら少し語れる。

自分の見る夢は、旅の夢ばかりだ。
自宅から出発することもあれば、気付けば電車に乗っていたり。
何だったら既に目的地に着いていて、知らない街を歩いていることもある。

夢だから、脳が勝手に作り上げた想像の街だから「知らない街」という訳ではない。
いつもいつも「自分は遠くへ旅に来ているから知らない街に今いるのだ」という確固たる自覚があった。
夢という自覚はないのに、旅をしているという自覚だけは一人前で、夢の中で嬉々として知らない人と出会い、知らない物を口にして、知らない景色を眺めて感動もする。

そうまでして、自分は旅をしたいのだ。
夢の中でまで、自分は遠くへ行きたいのだ。

まるで現実の何かから逃げ出すかのように。



お題『こんな夢を見た』

1/23/2026, 11:50:29 AM