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特別なことは何も無かった。
長かった髪を肩につくかつかないか位まで短くしたのが印象的だった。私の記憶する今まで見た中でいちばん短かったので暫くぽかんとしていた。頭の小ささがより際立っていた。
「髪切ったんだね。」
「うん、さっぱりしたでしょ。」
なんだか不思議な感じと私が言うとその人はふふっと軽やかに笑った。いつもより機嫌が良さそうだった。
「じゃあまた来週ね。」
そう言って別れた2日後、病院から母の危篤が伝えられた。

6/26/2023, 12:19:08 PM