狼星

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テーマ:優しさ #76

ミッドナイト組織。それが僕たち、時を操る能力に体制のある組織の者たち。紫の紋章組織の正体ーー

『終わったぜ、真』
シャドウが下でぺろりと口の端を舐める。
「そうか」
僕は座っていたソファーから立ち上がる。
『勝瑠の居場所に検討は?』
「全く」
『だよな…』
シャドウはガクッと肩を落とす。
「まぁ、見つけられないことはないと思う」
『なんでいいきれるんだよ』
「アイツ等だよ」
僕は指差す。もう彼らの姿はそこにはなく布切れだけが残る。
「何らかの形で情報くらいは共有しているだろう。その情報を辿ればいい」
『なるほどな…って、それ誰がやるんだよ!』
そこが問題…と言いたいところだが、宛がある。
『…ヤツか?』
「あぁ…」
シャドウはハッとなって気がつくと言った。シャドウも知っているヤツ。それは人外のハッカーとも呼ばれるヤツだ。
『アイツ苦手なんだよな。付き纏ってくるし』
「シャドウに魅力でも感じているんじゃない?」
『ケッ。よせよ。そんな柄じゃねぇ』
「それを彼に言えばいいじゃないか」
シャドウは黙る。
『お前には気遣う優しさってもんがないのかよ』
「人外にも、人間にも必要ない」
僕はそう言うと勝瑠家を立ち去る。後を追うようにしてシャドウが僕についてくる。

1/27/2023, 3:46:38 PM