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チッチッという秒針の音だけが聞こえてくる。
少し前に目が覚めたのは、天井の照明が落とす微妙な光量の違いがなければ壁の認識すらできないような、ただひたすらに白い部屋だった。
僅かな凹凸すらない部屋の中にあったのは目覚まし時計だけ。それが自室に置いてある安っぽい質感の、少しうるさい目覚まし時計だった事からこの状況は自分が見る明晰夢だとわかった。
現実の時計の音が夢の中まで追いかけてきたのだろう。常々やかましい時計だと思っていたがここまでとは、いい加減静かな代用品を探すべきだろうか。
秒針が六時に近づいていく。そんなことは無いだろうが、現実の時計と時間が同期しているならそろそろ特段やかましい目覚ましがなる頃だなと、針を目で追う。 もうすぐだ。5,4,3,2,1…---------

9/29/2023, 10:26:44 AM