お題 君と一緒に
この道をいつも君は通っていた。「この道の桜並木が好きだ」と言っていた。君とこの道を歩くのが僕は大好きだった。
春になると見事な満開の桜を愛でて歩いた。「ホントはお団子が食べたいんじゃないの?」ってからかわれていたな。
桜吹雪の中歩く君は、女神のように輝いていた。眩しくて立ち眩みするかと思うほど……
そんな君と一緒にいつまでも歩いて行きたかった。離れたくなかった。
あの日君がこの道を歩いていたら、後ろから走っていた車に轢かれて死んでしまった。前方不注意だったらしい。
僕は激しい喪失感とともに、もうこの道を歩けなくなってしまった。思い出したくないからだ。
この道を君と一緒に歩けなくなった。もう二度と一緒には……
1/7/2024, 7:40:46 AM