「名前はどうしようか」
薄い意識の中そんな声が響く。
〇〇は?いや、△△は?
上手く聞き取れないが、二人の男女がそんな話をしている。
私は女の人に抱かれ、テンポよく揺れている。ゆったり、ゆったり揺れている。私は揺れに身を任せ、目を瞑る。そのまま、夢の中へと歩を進める。
目が覚めた時、まだ私は女の人に抱かれていた。
よしよし、と傍に立っている男の人は私の頭を撫でる。目が合う。男の人は優しく微笑む。そして口を開く。
「お前の名前はーー」
女の人の、男の人の優しい雰囲気に包まれながら私はまた眠りにつく。
私の名前を抱きしめながら。
7/20/2022, 12:15:45 PM