ヒース

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彼は歌うことに命をかけている。
彼の歌は自分の言葉を歌にして私達に語りかけてくる。
彼には残された時間が少ないかもしれない。

以前、彼が突然もしもゲームをしようと言ってきた。
『君は飛ぶことがとても好きな鳥だったとする。ある日死神に、二度と飛べなくなるが綺麗な鳴き声を手に入れる。飛び続けることはできるが2日後に命がつきる。と選択肢を出された。君ならどっちを選ぶ?』と、
私は前者を選んだ。飛べないのなら鳴くことが好きになるかもしれないからとそう答えた。
彼は少し笑顔で『そっか、でも君らしい。』と応えた。


きっと私は彼の考え方とは違ったんだと思う。
彼は歌うことに命をかけている。
だから、彼の命がつきるその時まで
彼は歌っていたいんだろう。

私は彼の歌が好きだ。
でも、彼の命と引き換えなら彼の歌は聴けなくたっていい。ただ、ずっと側にいてほしい。
だが、私は彼が歌うことに命をかけていることを知っている。だから、彼が歌うことを止めることができない。
彼の夢を潰したくたい。

命と引き換えなのに決められない私は
本当に、、、怖がりだ。

(怖がり)

3/16/2023, 11:46:19 AM