アッシュ

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ぼくの目の前に差し出された手は真珠のように白くピンク色の爪はさくら貝のようで、とてもかわいい。
ぼくの彼女、こんなにかわいい爪を持つ手でぼくの顔に触れてくる。
頬を下に向けてなぞって唇までその貝殻の爪を差し込んできて、にこりと笑う。いつものかわいい笑顔ではなく、熱を孕み潤んだ瞳でぼくをジッと見つめながら妖しげに笑ってる。
「噛んでいいよ」
痛いだろう?と目で聞いても、構わないよと目で返される。
傷つけないようにそっと噛んだ。

海の味だった。








お題:貝殻

9/5/2022, 11:18:37 AM