「赤く、染まった。」
「染まって、散った。」
「いいや、散ってはいない。」
「ではなんと言う?」
「『使命を果たした』、『命を燃やし尽くした』と言うのさ。」
「その犠牲は尊いものだと。」
「ああ。無意味にあらずと。大切な思い出であったと、美しき変化であったと。」
「ひどく遠慮がちな最期でもか。」
「ああ、そこに意味はある。」
「この先に、何も無くともか。わたしが全てを呑むと知ってもか。」
「ああ、赤く燃えた命たちを、ぼくは無駄になんてしない。」
「わたしをも赤く染めるのか。」
「ああ、行路の先を終わりではなく、魂の情景にするために。」
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落ち葉の道
11/25/2025, 11:30:08 AM