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「雨」



雨の音に目覚める日曜の朝
気落ちしながらあくびをして窓から外を眺める
うつむき加減で傘をさす人達はどこか悲しそうに歩いてた
一杯のコーヒーを飲み干して傘を持ち扉を開けて
忘れていた幼心を思い出して街を歩く
小さな草花に落ちる雨音と濡れたアスファルトの匂い
誰も居ない公園はどこか寂しい空気を漂わせて
時間が止まったように見えた
泥に塗れた水たまりと濡れた遊具
子供たちの面影も悲しみも洗い流すように振り続ける雨
世界の片隅に立っているように傘を閉じて雨空を見上げた
今なら泣いても分からないかな
涙も声も消してしまう雨に救われた心
大人になっても変わらない気持ちを抱きしめて
いつの間にか忘れていた無邪気さを思い出す
ずっと遠い日の記憶を時間が奪っても
また見つけに行くから大丈夫
明日を怖れずに歩いて行こう


ずっと、こんな日を探してた
取り戻せない過去があったとしても
変わらないこの気持ちが知っている
何も考えずに笑えてた日のことを
忙しない日々に奪われた幼心も
小さな出来事が救ってくれる
それぞれの小さな出来事が、、きっと





6/16/2023, 8:01:36 AM