俺は高3、排球に熱中している普通の学生だ。
俺と同じポジションの1年セッターにレギュラーを奪い合うも空しく、先生には「部活を引退し学業に専念なさい」と言われ続けてきた。
でも俺は嫌だった。
今でもボールに触っていたいし、エースにトスをあげたい。たとえコートに居座るのが天才だとしても、俺はレギュラーを奪いにいった。
いいことがあるから、排球をやっているわけではない。
ただ、彼らと排球をするのが楽しかった。
後輩である1年セッターも言っていた。
「このチームでもっと上へ行きたかった」。
凡人な俺と
天才な彼は
想いは一緒だった。
コートに立つのが俺じゃなかったから、このチームで上を目指して走れた。
それは確かに、もちろん悔しい。俺がコートに立って、勝って「次」が作れたら、嬉しいと思った。というか後輩がそう言って安心した。
悔しい。けど楽しい。
俺のトスでみんなの「次」を作ることはできなかったけど、それよりも、このチームでいられた事が何よりも嬉しかった。
「あの人、すごく後輩想いです。
俺その人にたくさんのこと学んだんです。」
#2024.3.30.「何気ないふり」
排球sgさん。「ここ」にきた意味。
3/30/2024, 1:57:25 PM