haruno

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永遠の花束


忘れるはずがない。
あの一瞬の一時を。

貴方と出会ったのは私が10歳くらいの頃。
貴方は私よりも何歳も年上で、
私の命の恩人。

私が車に轢かれそうになった時に、
助けてくれた。
その瞬間、私は一目惚れしたのだと思う。

それから貴方とはよく遊ぶようになった。

でも、そんな楽しい日々は永くはなかった。
貴方と初めて会ってから気づけば6年ほど経った時。
貴方に心臓の病気が見つかった。
命もそんなには持たない。

更には入院しなければならなかった。
私は毎日のようにお見舞いに行った。

そんな日々が私にとって、
かけがえのないものだった。
辛いことがあっても、
貴方に会えたら全て吹っ飛んでいった。

でも、そんな生活が急変したのは、
入院してから半年ほど経った時だった。

彼に異変が起きた。

何が起きたのか頭が真っ白になった。
それから、次々へと物事が進んでいった。

貴方の顔を最後に見に行った。
すると、病室には私宛てのシオンの花束と手紙が
飾られていた。

貴方からの手紙には、

「〇〇へ
この手紙を読んでいる頃には俺はもう
〇〇には会えなくなっているでしょう。
急なことでごめん。
本当は直接言いたかったけど、最期に
手紙で言わせてください。

俺は〇〇がずっと好きでした。

どうせなら、最後までこの気持ちは隠していよう
と思ったけど、やっぱり伝えたかった。

自分でもおこがましいけど、もし、もしも、、
〇〇が俺と同じ気持ちだったら嬉しい。
だけど、〇〇は俺よりももっと良い人を
見つけて欲しい。俺ではない誰かと
幸せになってください。

もう会うことは出来ないけれど、その償いって
言ったらおかしいけど、代わりにシオンの花束
を置いておいたよ。

これは、俺の気持ちとして受け取っておいて
欲しい。

本当に、〇〇と出会えて嬉しかった。
いくら言っても足りないけど、本当に今まで
ありがとう。

また会える日が来るのを楽しみにしています。

                 △△より
                      」


この時は、色々な感情が浮かんできた。
同じ気持ちだった嬉しさ、会えない悲しさ、、。

_________________________________________________


あれから10数年が経った。
私は、素敵な夫や、息子に恵まれ
幸せに暮らしている。

あの時のシオンの花は押し花にして
今でも持っている。

夫は、私の事情を知っている。だからこそ、
何かあればお互いに支え合える。

貴方に出会わなければ私は今の自分では
なかったと思う。
本当にありがとう。

なぁんて、空に向かって祈っている。


                   The END


シオンの花言葉は、
「君を忘れない」「追憶」「遠方にある人を思う」など

2/5/2025, 9:28:32 AM