月の雫

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子供の目は、とても澄んだ瞳をしていて、まるで嘘で塗り固めた私の心の中を全て見透かされているような気がして、とても怖く感じる。

いつからだろうか?

私も昔は澄んだ瞳で世界を見ていたのに、いつの間にか同調圧力に負けて、自分の心に嘘をつくようになってしまっていた。

自分では、自分に嘘をついていることさえ、もう分からなくなっていたのに。

子供や動物たちの目を見れない。

その理由に気づいた時、私が自分の心に偽り続けていた事を思い知った。

本当の私は、本当の私でいた頃は、まっすぐ目を見れていたのに。

良い大人の振りをして、良い妻の振りをして、良い母の振りをして、良い娘の振りをして、良い孫の振りをして、良いママ友の振りをして・・・

全てが作り物。

本当は良い人になんてなりたくない。

なのに、どこかで嫌われるのが怖いんだ。

母が私を憎んでいたのは、私の瞳が澄んでいたから。

今になれば、その理由がわかる。

自分が幸せじゃないのに、娘だけ幸せになってなるものか。

私の分身なんだから、あなたも幸せになるはずがない。

母はいつも母である前に女だった。

だから、自分が老いるにつれて、私の澄んだ瞳が憎くなったのだろう。

私の瞳

今はもう曇りだらけ。

満足ですか?

私はあなたから逃れられないのですか?

もう一度、嘘偽りのない自分に戻って、澄んだ瞳を見つめ返せる日が来ますように・・・。

7/30/2022, 1:22:44 PM