「妖精の国と天使の国」
妖精の国のお姫様は、誰からも好かれて、誰からも愛されて育ちました。お茶会、パーティー、公務などの仕事も嫌な顔せずに笑顔でこなしました。
誰からも愛されるお姫様ですが、一部の妖精はお姫様の事を良い様には思っていませんでした。ある日、お姫様は公務で魔法が苦手な妖精を自分の魔法で助けた事がきっかけで、お礼がしたいと言って来たその妖精に会いに行く事にしました。
お姫様は、待ち合わせ場所まで行くと、助けた妖精以外に復数の妖精が待ち構えていました。お姫様は妖精達に取り押さえられて、王族の証であるペンダントを壊されてしまいました。
「ククク、良い気味」と言い残して、妖精達は去って行きました。
お姫様は、待ち合わせ場所が国の外だったので、自分の国に入ろうとしました。お姫様は、「君、妖精の国の者か証明する物はあるか?」と、門番に言われたので、壊れたペンダントを見せると、「何で壊れてるんだ?まさか盗んだな?!」と、門番はお姫様を悪者扱いしました。
「違います!盗んでいません!何者かに壊されてしまったんです!」と、お姫様は今までの事を話しましたが、「犯罪者を国に入れる訳にはいけない」と、門番は聞く耳持たずでした。
「捕まえろ!」門番は他の仕事仲間を呼んでお姫様を捕えようとすると、真珠の様な輝きのペガサスが現れて、お姫様を背中に乗せて空高く飛んで行きました。
「ありがとう!…えーと、あなた誰ですか?」お姫様はペガサスに聞きました。「僕は天使の国の王子です。恐ろしい魔女が妖精の国を乗っ取って、貴女達王族を始末しようとしています」王子様はお姫様に今起こっている事を説明しました。
「とにかく、今は天使の国で避難して下さい」王子様はお姫様を天使の国に連れて行きました。
天使の国は、全てが真珠で出来ている様な白く美しく輝く景色が広がっていました。「王子様の国って白くて綺麗な所ね」お姫様は天使の国を見て感動しました。
お姫様は王子様のお城に行きました。「おやおや、大変でしたでしょうに…」天使の国の人達は、お姫様を温かく迎えました。その夜、お姫様は王子様に「妖精の国の皆を助けたい」と、言いました。
お姫様や王子様達は、一週間準備をして妖精の国に乗り込みました。妖精の国では、オーロラ色の空の他、妖精達の体が真っ黒になり、目がギロッと赤くなっていました。「魔女の仕業だな?!こんな時は、聖水の雨が一番!」王子様の友達の兵士は、空に雨雲を発生させて聖水の雨を降らしました。
「犯罪者は許さない」と、呟き続けていた妖精達は、聖水の雨を浴びると元に戻りました。「まずは戦う人数を減らさないとな」大成功と兵士は小声で言いました。「早くお城に向かわなきゃ!」お姫様達はお城に向かいました。
お城に着いたお姫様は、何もかもが真っ黒になり、血の様に赤い薔薇がお城中に咲き乱れていました。「魔女はきっと王座ね!それに、私達の家族が心配だわ…」お姫様は、家族を心配しました。
「貴女は家族を助けに行きなさい。僕達は魔女の所へ向かいます」天使達は王の広間へ向かいました。お姫様は地下牢へ向かいました。
「お父様お母様達が地下牢に閉じ込められて無きゃ良いんだけど…」お姫様が地下牢の扉を開けると、自分の家族達が牢屋に閉じ込められていました。「この裏切り者が…!!」家族達も体が黒くなっていたので、お姫様は牢屋全体に聖水を振りまきました。
「…!何でわし等が牢に居るのじゃ?」正気を取り戻した妖精の国の王族達に、お姫様は今までの事を説明しました。「おのれ、魔女の奴め!」「今は、天使達が魔女と戦ってるわ」お姫様は檻の扉を開けて、家族達を助けました。
「姫よ、ペンダントが壊れてるのでは無いか?修理した方が良いじゃろ」お姫様は、王様にペンダントを渡しました。「お父様、天使達の様子を見て来ます」王様の子供達は王の広間へ向かいました。
王の広間へ着いたお姫様達は、黒くて大きな魔女が天使達を叩きのめしていました。「おやおや、誰かと思えば犯罪者達ではないか」魔女は薔薇に息を吹きかけると、血のように赤い兵士の姿に化けてお姫様達を攻撃し始めました。
「お姫様、残ってる聖水を魔女にかけてくれ!」兵士はお姫様に聖水の瓶を渡しました。「フン、その手には乗らないよ」魔女の爪が聖水の瓶を突き刺そうとしました。
お姫様は魔女の攻撃をかわし、魔女の頭まで飛びました。「愛される存在は嫌いだよ。誰からも憎まれる思いを味わうと良い」魔女はお姫様を掴んで、お姫様を真っ黒にしようとしました。
「く、苦しい…」お姫様の意識が朦朧とすると、聖水の瓶を落としてしまいましたが、王子様がペガサスの姿になって瓶を掴み取りました。
「喰らえ!」ペガサスは魔女の頭まで飛び、お姫様ごと魔女に聖水をかけました。「ギャァァア!」魔女の姿が消えました。
「妖精の国を助けてくれてありがとう。でも、私のペンダントが壊れたままだから…」「心配しなくて良いですよ。僕の妃になって頂けませんか?」お姫様は王子様と結ばれて、天使の国で幸せに暮らしました。
1/12/2022, 8:07:32 AM