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#55 今日も彼と病院で会う。

私は残り命を楽しむために、退院することになった。
もう治療法もないのだ。
でも、彼は私が余命宣告を受けていることを知らない。だから彼は、退院おめでとう、と明るく言っていた。
自分は諦めたように。


その日。彼は倒れた。

何度目かの発作。
発作を起こした時、「さよならだったらごめんね。幸せだよ」そう言った、彼の姿がずっと記憶にある。

さよなら、なんて言わないでよ。

私も、みんなも。人生には必ず、さよならがあるんだから。


___さよならは言わないで

12/3/2022, 11:02:17 AM