NoName

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ここに想いを綴ろうと思い書いたとしても
綴っている時間、私は思い返さなければならない
美化されつつあるこの思い出を私はどう表現したらいい。
私は彼をそこまで愛していなかった
酷い言い方をすれば好きになることなど無いと罪悪感を感じながら付き合っていたがその想いも日に日に
募っていき、申し訳ないの気持ちで一杯だった
私は彼に別れたいと告げた。
シュワシュワ はじきながらコップの上を踊る炭酸を眺めながら彼の返事を待った
私は暇なのでコップのなかにレモンを搾り飲み込んだ
あんなに恥じらいもなくはじけていたのに
時間が経ってしまったせいか。
飲み込んだらただのレモン水かのようにサッパリしていた。
それと同時に携帯が震えた
彼も私と同意見だったらしい。
「俺も別れたかった。別れよ」この一言だけだった
私は思っていたよりあっさり終わってしまった関係にさっきの炭酸水のようだと感じた。
最初は恥じらいもなくコップの外に飛び散る炭酸は私たちの気持ちを表しているのか。
時間が経てば落ち着き薄まり微動だにしない何も起きない。
その空間に私は1人置き去りにされたように感じた
私は涙が止まらなかった。

私は彼を愛していたんだ。

1/29/2023, 2:03:25 PM