NoName

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 古い本棚を漁るのは楽しい。
 その中で一際懐かしいものを見つけて、僕は頬が緩んでしまった。
 古ぼけたその科学雑誌は超新星爆発の事を特集していて、その当時時間があれば読みふけっていたものだった。
 その雑誌が、当時ただの同僚でしかなかった彼女の目に止まって、二人で色々話すきっかけになったのだった。  
 アプローチは彼女の方からだったのが、今の関係を考えると意外なような。そうでもないような。
 なにせ僕は、彼女の事が星や植物と同じぐらい大好きだから。
 でも、彼女が僕のことをどれだけ好きなのかは、未知数だ。
 婚約者になっても、こればかりは読めない。
 ただ、間違いなく言えるのは、今の僕は幸せだということ。
 願わくば、彼女も幸せにできているといい。

3/31/2023, 1:11:04 PM